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歯磨きの仕方(虫歯予防編)

 歯科医院でブラッシング指導を受けたことはあるでしょうか?このページをご覧頂いている方の多くは過去に指導を受けたことがあるか、実際に指導を受けたいと考えていると思います。実はこのブラッシング指導の方法は年々変化しています。今回は令和3年現在、当院で指導しているブラッシング指導についてご紹介します。

 

 まず結論から…

 

【 適切な量と濃度のフッ化物歯磨剤を使用して、1日3回、1回3分以上磨いて、ぶくぶくうがいは1回だけ。 】

 

 上記の方法での歯磨きを推奨しています。

 

 以前までは、いかに磨き残しを減らすか?がブラッシング指導中心でした。そのためどのように歯ブラシを歯に当てるか?など歯磨きの技術的な指導が広く行われていました。「歯ブラシを斜め45°にして歯と歯茎の境目を小刻みに振動させるように磨きましょう!」という指導を受けたことがあると思います。確かに歯周病予防の観点からはプラーク(歯垢、磨き残し)の除去が重要となります。しかし、虫歯予防の観点からはプラークの除去よりもフッ化物配合歯磨剤の使用が重要になります。もちろんプラークを除去しなくて良いという意味ではありません。その人にあった歯ブラシや補助器具を用いて、その人の口腔内にあった方法でプラークを除去する必要があります。そこに積極的なう蝕予防剤としてフッ化物配合歯磨剤を年齢に応じた形で使用します。特にお子様の歯を守るために、適切な濃度と量のフッ化物配合歯磨剤を使用したブラッシングを強く推奨しています。


 さらに詳しく知りたい方のために、フッ化物配合歯磨剤に関する日本口腔衛生学会の考え方(2018年3月)の中で述べられた[ 推奨されるフッ化物歯磨剤の効果的な使用方法 ]について以下に引用します。

 

 

 「フッ化物配合歯磨剤のう蝕予防メカニズムは、歯みがき終了後に歯面、歯垢、粘膜および唾液などの口腔環境に保持されたフッ化物イオンによる再石灰化と酸産生抑制効果であるといわれている。しかしながら、その応用効果は使用するフッ化物の応用量、作用時間、洗口回数ならびに方法などによって大きく左右されることが予測される。推奨される効果的なフッ化物配合歯磨剤の使用方法を以下に示す。

 

① 歯ブラシに(表3)に示した年齢に応じた量の歯磨剤をつける

② みがく前に歯磨剤を歯面全体に広げる

③ 2〜3分間歯磨剤による泡立ちを保つような歯みがきをする(特に歯みがき方法にはこだわらない)

④ 歯磨剤を吐き出す

⑤ 10~15mlの水を口に含む

⑥ 5秒間程度ブクブクうがいをする(洗口は1回のみ)

⑦ 洗口は1回のみとし、吐き出した後はうがいをしない

⑧ その後1〜2時間程度は飲食をしないことが望ましい

 

さらに、フッ化物配合歯磨剤を用いたブラッシング回数は、1日2〜3回と頻度が高いことが望ましい。」

 

 

 以上、歯磨きの仕方(虫歯予防編)でした。今日からこのページを読んでくださった皆様の歯磨きの仕方が少しでも良い方向に変わることを願っています。当院は常に知識および技術をアップデートするよう心がけています。歯ブラシでは取れない歯石の除去だけでなく、ご自身や家族の歯を守るために是非実際に歯科医院でブラッシング指導を受けてください。笑顔でご自分の歯で美味しくご飯を食べましょう!

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