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卒後に学ぶインプラント 骨造成編

 2023年7月2日(日)に東京医科歯科大学で行われた実習セミナー「卒後に学ぶインプラント 骨造成編 ー若手インプラント専門医が教える理論と手技ー :講師 宗像源博先生(昭和大学歯学部インプラント歯科学講座 准教授、昭和大学歯科病院インプラントセンター センター長)、横山紗和子先生(昭和大学歯学部歯科補綴学講座兼任講師)」に、当院の歯科医師赤嶺、多田が参加しました。

 

 今回のセミナーでは、インプラントの基礎の確認から始まり、狭窄歯列へのインプラント埋入と同時のマイナーGBR(小規模骨造成)の理論の確認と豚骨を用いた実習を行いました。

 

 まずインプラントの基礎の確認では、全身疾患とインプラントの予後の関連やインプラント周囲炎のリスクファクターとなる疾患について学びました。

 

 骨代謝に関わる疾患(心疾患、骨粗鬆症、肝炎、リウマチ等)が高リスクであり、特に動脈硬化の進行と骨密度の低下には相関関係があることを学びました。また年齢による血糖コントロールの基準(高齢者糖尿病治療ガイドライン2017)についても確認をしました。高齢者においては高血糖よりも低血糖による転倒に注意する必要があるので、年齢によってHbA1cの基準値が変わります。さらに骨粗鬆症治療薬と休薬アルゴニズムについても確認をしました。

 

 今回は豚の下顎骨を利用し、狭窄歯列への埋入および抜歯即時埋入と同時の小規模骨造成の実習を行いました。壊死を起こさないための切開線の設定、粘膜剥離、角化歯肉の取り扱い、ドリリングの流される位置を考慮したインプラント埋入窩形成の術式、インプラント埋入深度と上部構造の形態の関係、デコルチケーション、骨補填材のカウンターテクニック、テンティングスクリューテクニック、ソーセージテクニック、縦切開と減張切開、良好な粘膜治癒を実現するエヴァーティング縫合、予防的抗菌薬の投与、ソケットプリザベーション、Bio-Ossの動態、抜歯即時埋入等について学びました。

 

 今後もより予知性の高いインプラント治療が実現できるよう研鑽を積んで参ります。

 

 

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